伊藤忠商事_202203期

総合商社

更新日:2022年11月15日

参照データ

有価証券報告書(2021年4月1日ー2022年3月31日)

https://www.itochu.co.jp/ja/files/security_98.pdf

 今回は伊藤忠商事を見ていきます。伊藤忠は、非財閥系総合商社の雄です。総合商社と聞くと金属資源や原油取引ばかり目立ちますが、伊藤忠は生活により密着した非資源分野に強い総合商社です。2022年11月15日時点での時価総額は6.6兆円を超え、総合商社の中では一番高い時価総額を誇ります。今まで見てきた三菱三井と比較しながら見ていくととても面白いです。それではレッツゴー!

事業の概要

 総合商社である為、事業分野は多岐にわたる。商社では「川上から川下まで」という言葉がよく使われるが、原料の権益から最終消費者に届けるところまで全てのサプライチェーンに関わり利潤を上げることを目指すことが商社の特徴の一つ。伊藤忠は他の総合商社と比較して、資源分野以外に強みを持つことも特徴。その為、特に三井のような資源特化型総合商社と当期利益でヘッジの関係として捉えることもできる。資源高の時は三井が強く、資源価格が低迷すると非資源が得意な伊藤忠が強い構図があると言える。

決算のポイントと考察

 当期利益は8700億円超え。前年度は約4400億円、昨対比では2倍近くの利益の成長が見られる。

 金属資源分野が単独で2260億円の当期利益を計上。前年は1219億円であったので、2倍近くの利益成長があった。非資源分野が強みの伊藤忠といえど、今年度の会計は他の総合商社と同様に資源価格の向上が大きく利益貢献をしていると言える。

 住生活分野の利益貢献も目が話せない。当期利益は1052億円。前年度比にして、840億円の増益を達成。コロナ経済からの脱却がここでも見られる。

 総合商社は資産も潤沢であり、キャッシュフローも良いところばかりで文句なしだが、特に資源高になったりするときに増益する傾向にある。資源需要が高くなった時は是非注力していきたい分野である。

タイトルとURLをコピーしました